CBD含有のてんかん治療薬「エピディオレックス」への期待、日本でも承認されると良いんですが・・・。

難治性てんかんの治療薬として開発された、CBDを主成分とした医薬品「エピディオレックス」。
治療法が見つからず、悩む人の多かった疾患に有効ということで、国内外問わず注目を集めています。
今回は、そんなCBDのさらなる可能性について取り上げていきますよ!
難治性"てんかん"とは?
“てんかん“とは脳の病気で、顔や手足のけいれんなどの症状が有名ですが、酷い場合だと失神や呼吸困難などを引き起こし非常に危険な病気です。
100人に1人くらいの割合と言われており、子供の病気と思われがちですが、大人でも発症する病気で、特に高齢になって発症する人が増えているそうです。
一般的には、抗てんかん薬を投与することで発作を抑えますが、複数の薬を使用しないといけないような重い症状の"てんかん"を難治性と言います。
難治性てんかんには、ドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群などの"小児てんかん"があり、複数の薬を服用しても症状が収まらないケースもあり、世界中で苦しんでいるお子さんはたくさんいます。
そんな中、難治性てんかんの治療薬として承認された「エピディオレックス」には大きな期待が込められているのは言うまでもありません。
「エピディオレックス」って?
エピディオレックスは、英国のGW Pharmaceuricals(以下GW)によって開発された難治性てんかんの治療薬です。
ここまで注目されているのは、現状の抗てんかん薬では発作を抑えることが困難な症状においても、50%前後も発作を抑えることが出来ているからなんです。
主要な成分はお馴染みのCBDでして、「エピディオレックス」はある意味、高濃度のCBDオイルみたいなもの。
また、抗てんかん薬はキツイ副作用に耐えなければなりませんが、CBDには副作用がないこともあり、その点でも待ち望まれていたワケですね。
余談ですが、子供でも摂取しやすいようにストロベリーフレーバーになっているそうですよ。
「エピディオレックス」の効果測定実験
まだアメリカで承認される前ですが、GWでは120人の患者さんを対象に臨床試験をおこないました。
そこでは現状の薬剤を用いて4週間の観察をおこない発作回数などを測定。
その後、エピディオレックスと別の偽薬を用いた14週間を検証した結果、偽薬を用いた患者さんの発作回数は13%減少したのに対し、エピディオレックスを用いた患者さんの発作回数は39%減となったそうです。
この臨床結果が発表されたとき、同社の株価もは130%も上がったそうで、この新薬への期待の高さが見て取れます。
日本でも承認を求める声が
日本では、大麻取締法によって、CBDを含む麻由来の製品の医療目的とした研究は禁止されていました。
ですが、このエピディオレックスについては、戦後初の国内での臨床試験も検討されているのです。
実際、日本てんかん協会やその他医療機関からも厚生労働省に許可要請が提出されており、日本で臨床試験がおこなわれるのは時間の問題では?と言われています。
日本でも難治性てんかんのドラベ症候群は3,000人以上、レノックス・ガストー症候群を患っている方も5,000人近いと言われてますので、エピディオレックスはそういった重患者さんの希望でもあるんです。
下記に、日本てんかん協会が厚労省に宛てた「要望書」を添付しましたので、よろしければお読みになってみてください。
エピディオレックスが薬局に
国内では、まだ臨床試験に至っていないエピディオレックスですが、アメリカをはじめEUやお隣の韓国でも導入が開始されています。
とくにアメリカでは、米国薬物執行局(DEA)が米連邦規制物質のリストからエピディオレックスを除外することで、薬局でも購入が可能になるのだとか。
今までは都度、医師の診察と処方箋が必要だったエピディオレックスですが、今後アメリカではこの処方箋が1年間有効になり、患者さんは必要な時に薬局で薬を購入することができるんだそうです。
コロナのような感染症が増えている時期などは、子供を病院に連れていくのも心配なので、薬局で買えるというのは親御さんにとっても身近で利用しやすくなりますね。
最後に
今回はCBD含有の難治性てんかん治療薬の「エピディオレックス」について調べてみました。
エピディオレックスの導入次第では、今後のCBD市場に大きく関わってくることが予想されます。
国内でも患者さんの治療に安全に用いられる日がくるように、規制や研究が進められることを切に願います。
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