CBD普及の原点・・・難治性てんかんを患っていたシャーロットちゃんの物語

CBD普及の原点・・・難治性てんかんを患っていたシャーロットちゃんの物語

アメリカで爆発的なブームを巻き起こしたCBD製品ですが、実はその裏には一人の少女がいました。

今回はグリーンラッシュの原点とも言える、ドラベ症候群の少女「シャーロットちゃん」についてご紹介していきたいと思います。

CBDブームのきっかけ「シャーロットちゃん」

アメリカCNNで2013年に放送されたWeed」というドキュメンタリー番組をご存知でしょうか。

ここに登場したのが、難治性てんかんに苦しむ少女、シャーロット・フィギーちゃんでした。

彼女はまだ2歳の頃に重度のドラベ症候群と診断され、化学療法だけでなく鍼治療、食事療法などさまざまな治療を続けていましたが、一向に改善することはありませんでした。

そればかりか症状は悪化する一方で、なんと週に300回、1時間に2回以上の発作に襲われ、酷いときは一晩に50回もの痙攣と呼吸困難に苦しんだそうです。

文末にアメリカのドキュンメンタリー番組「Weed」の動画を埋め込んであります

前編45分近いので、お時間のある方は宜しければご覧になってみてください。

薬剤治療の限界

難治性てんかんの多くは、副作用の強い薬を使用しなくてはならず、それでも効くかどうかもわからないという大変なもの。

シャーロットちゃんも数多くの化学薬品を試していましたが。どれも効果が見られず強い副作用だけが蓄積されていきました。

その結果、歩行や食事が困難となり、ついにはほぼ寝たきりの状態で栄養管をお鼻に通して生活するように・・・副作用の影響で、一時は心配停止にまで陥ることもあったそうです。

ご両親はあらゆる方法を試しましたが、最後に残された選択肢が「犬や動物に使う超強力なてんかん治療薬を投与する」「薬で意図的に昏睡状態にする」という2択のみ。

そんな厳しい選択を迫られている両親の耳にたまたま入ってきたのが、大麻から作られた油で子供の"てんかん“を治療したというカリフォルニアの話だったんです。

CBDオイルを投与してみる

家族が住むコロラド州では、当時から医療大麻の許可がおりていましたが、大多数の州ではCBD製品すら禁止されており、当時両親は大麻由来の薬を小さな娘に利用するのをためらっていました。

二人はTHCの含有率がなるべく少なく、逆にCBDが多い麻をなんとか見つけ、シャーロットちゃんに投与してみたそうです。

すると、驚くことにその日発作がぴたりと止まったんです!

翌日、また翌日と発作が治まり、CBDがシャーロットちゃんのてんかん治療に有効であることを確信したんですね。

シャーロットちゃんは、強い副作用の薬剤から解放され、少しづつ話したり動けるようになっていきます。

当時はCBDを多く含有する麻がなかった

ようやく兆しが見えてきたものの、家族の前には新たな問題が。

それはTHCの含有率が少ない麻の取扱が、当時はほとんどなかったということ。

以前は、THCこそが"うつ病"や"鎮静"に役立つとされており、また違法で吸引していた人も多かったことから、THC含有率の高い麻ばかりだったんです。

幸いなことに、CBDの効能に着目しTHC1%、CBD21%の麻を栽培していたスタンリー兄弟に出会うことが出来ましたが、神様が引き合わせてくれたのかもしれません。

後にスタンリー兄弟は、シャーロットちゃんの治療に携わったことから後にCBDブランドを立ち上げますが、彼らの製品には、シャーロットちゃんの名前を借りて"シャーロット・ウェブ“と名付けられています。

グリーンラッシュのはじまり

CBDオイルの投与が9ヶ月を過ぎた頃には、それまで週300回あった発作は99%減少し、シャーロットちゃんもだいぶ回復します。

そして、このことがテレビで放送されると瞬く間に話題に。

アメリカでは医療大麻は限られた州でしか認められていなかったことから、てんかんに苦しむ多くの家族がコロラド(シャーロットちゃんの住む医療大麻が認められた州)に移住してきたほど。

そして、CBDの効能が広く知られることになり、今では47の州にCBD製品を許可する法律ができヘンプは連邦法で合法になったというわけです。

シャーロットちゃん死去

ここでとても残念なお話をしなければなりません。

シャーロットちゃんは2020年4月に13歳の若さでこの世を旅立ちました

CBDでのてんかん治療を始めてからは、栄養管を外して5年以上経過、普通の生活を元気に送っていたとのことです。

新型コロナウィルスにによる合併症ではないかと言われています。

彼女がその若さで亡くなったことは、アメリカで大きな衝撃を与えたと同時に、シャーロットちゃんの残した功績が称えられました。

世界中の難治性"てんかん"患者の希望に

シャーロットちゃんはアメリカ国内だけでなく世界中に大きな影響をもたらしました。

以前も記事にしましたが、世界で少しづつCBDや医療大麻が認められてきています。

ここ日本でも、日本てんかん協会をはじめとする団体や機関が、厚生労働省に向けてCBD由来の治療薬の承認申請をおこなっています

CBDがたくさんの人達を助け続ける限り、シャーロットちゃんの栄光は輝き続けるんですね。

話題となったアメリカの番組

最後に

今回はグリーンラッシュのきっかけとなったシャーロットちゃんについてご紹介してきました。

私達が安心してCBDを利用できる背景には、このようなストーリーが隠されていたのを忘れてはいけません。

シャーロットちゃんが残した功績が、さらに広く知られて、多くの"てんかん"に悩む子供たちのサポートに繋がることを祈っております。